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源氏物語

源氏物語たより288

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   女三宮の婿がね評定 『若菜』⑤  源氏物語たより288

 「女三宮を光源氏に」という思いは、朱雀院にとっては既定のことだったので、今更その他の男たちのことをとやかく品定めする必要はなかったのだが、「ついでに」ということで、何人かが俎上に上った。いうなれば「刺身のつま」のようなものである。
 ただ、院とすれば世間の思惑が気になるところだったのだろう。
「いくらなんでも十三、四歳に過ぎない片なりの娘を、四十の男に嫁に出すなど考えられない。やはり源氏の地位や財産を頼った安易な考えなのだろう」
という評判が立つかもしれないのだ。それを薄らげるためには、たとえ「刺身のつま」でも、しかるべき男は俎上に乗せたのだという事実が欲しかったのかもしれない。
 
 さて、その「刺身のつま」たちは、院やその他の人物によってどのような評価を下されたのであろうか。それに当たってみることは、当時の内親王の降嫁の条件がどのようなものであったのかが分かり参考になるかもしれない。

 ① 兵部卿の宮~源氏の弟で、趣味人。実は本人も「女三宮を」という思いは強い。
    「人柄はいいのだが、あまりに優美になよなよとし過ぎているし、風流ぶり過ぎる。やや軽薄で重厚さという面   に欠けるものがある」

 ② 柏木~太政大臣(かつての頭中将)の嫡男、現在、右衛門の督(従四位下)、夕霧の親友。彼も女三宮を手に入れ    たいと熱望していて、いろいろなルートを通して、意中を院にほのめかしている。
    「そもそも位が低すぎる。歳も若過ぎる(この時、二十三、四歳)し、貫禄がない。“高貴な女性を”という意   向が強いようで、そのためだろう、未だに独り身でいる。気位が高ところなどは他のものを圧するほどで、学才な   ども特に問題はない。いずれは世の重鎮として活躍するようにはなるのだろうけれども、いざ女三宮の婿にと考え   ると、さすがに躊躇してしまう。」

 ③ 夕霧~源氏の嫡男、十八歳にして権中納言。彼も「女三宮を」という思いがないではない。彼の場合は院の言葉で    直接みてみよう。
    『権中納言などの一人ものしつるほどに、進みよるべくこそありけれ。おほいまうち君(太政大臣)に先ぜられ   て、ねたう覚え侍り』
    夕霧は、この夏、筒井筒の仲であった太政大臣の娘・雲居雁と晴れて結婚できたばかりである。院は、夕霧もい   いと思ていたのだが、既に雲居雁に決まってしまった。こんなことなら、独身の時に「婿に」と申し出ておけばよ   かったのに、太政大臣に先を越されてしまった、それが残念だというわけである。

 ④ 藤大納言~朱雀院の別当。女三宮の家司(事務をつかさどる職)を望んでいる。家司になることで、女三宮の後見    人、婿になれるという魂胆なのだろう。
   「まあそれなりに人物は真面目ではあろうけれども、大納言風情では内親王の後見としては、とても無理だ。あり  ふれた身分の者では面白くもない。昔から、皇女の婿ともなれば、なにごとにも普通の人よりもはるかに優れた評判  の者を選んだものだ」

 ③ その他大勢
    「人柄が良くても、ただ人ではだめ」
   「ただ人」とは、普通の人、または帝などに対して臣下のこと。この場合は、摂関家や宮家以外の者の意味か。

 このようにして「刺身のつま」たちはズタズタ葬り去られていくのだが、客観的に見れば、女三宮の相手としては、柏木が最も相応しいに決まっている。
 歳が若いといっても二十三、四歳といえば結婚の最適年齢だ。それに女三宮は十三、四歳なのだから、これほど相応しい相手はない。これに比べて夕霧などはまだ十九歳に過ぎない。
 それに「若く位が低い」といっても、太政大臣の嫡男である。黙っていてもいずれは大臣にはなる。しかも彼は独身でいるのだ。これほど条件の整った相手は他にない。
 しかも彼の父・太政大臣もこう言っている。
 『この衛門の督(柏木のこと)の今まで一人のみありて、「皇女たちならずば得じ」と思へるを、かかる御定め(女宮の婿選び)ども出できたる折に、さやうにもおもむけ奉りて、(柏木が)召しよせられたらん時、いかばかり我がためにも面目ありて、嬉しからん』
 「柏木も強く望んでいるし、その気持ちが帝を動かし、もし帝が柏木を婿にするというようなことになれば、どれほど私の面目になることか」と親ともども熱望しているのだ。 
 このようなことから、柏木に決めることが最も妥当であるにもかかわらず、院は「若い、位が低い」ということで、こともなげに柏木を候補から外した。この院の考え方には無理があると言わざるを得ない。
 
 ただ、柏木に決まってしまったのでは、この後の物語が成り立たない。苦しいところで、紫式部もやむなく柏木を候補から外してしまったのだろう。
 にもかかわらず、このもったいぶった「婿がね評定」が、「女三宮の相手としては源氏しかいないのも、もっとも!」と読者を納得させてしまうのだから不思議で、それは紫式部のテクニックという他あるまい。


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