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源氏物語

源氏物語たより487

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   光源氏召喚の経緯と強運  源氏物語たより487

  光源氏が、明石から京に召喚されるに当たっては、源氏側からはなんの働きも一切しないうちに、事は運んで行った。そのもっとも大きな原因になったのは、朱雀帝の弱気である。弟・源氏の官位を剥奪し、配流の状態のままにしておくことは彼には耐えられなかった。それは故父・桐壷院の遺言に背くことだからである。それが罪意識になって、夢で院と見合わせた目を病んでしまったのだ。  
  その他の要因としては、帝の父・右大臣が死んだことや、都にうち続く凶事や天変地異がある。あの剛毅な弘徽殿大后もさすがに弱気になっていたのだろう、体調を崩してしまう。いわば、右大臣側の自壊作用で源氏は召喚されることになったのだ。
  それに住吉の神の加護も重なったこともあって、源氏の帰京は間違いないことになった。まことに強運な男というしかない。現実の世界では、なかなか事はこうスムーズには進まない。近い例では源高明の事件(安和の変で失脚)があるし、遠くは菅原道真の大宰府への配流がある。いずれもかつての権勢を得ることはできなかった。

  源氏の召喚に当たっては、さらなる幸運が重なった。
  朱雀帝は、相変わらず目の病が思わしくないばかりか、母・弘徽殿大后も物の怪に悩んだりしていたので、これも源氏迫害の報いかもしれないと、譲位まで考えるようになっていた。ところが、帝にはしかるべき皇位継承候補者がいなかった。皇子がいなかったわけではなく、鬚黒大将の妹である承香殿女御との間に若宮がいたのだが、とにかくまだ二歳である。位を譲るにはあまりにも若すぎるということで、現在の春宮(後の冷泉帝)に譲位するしかなかった。裏ではこの春宮を廃し、源氏の弟の八の宮を立てるという陰謀もあったようだが、故桐壷院から「春宮を大切にするように」と切々と説得されている朱雀帝にとって、とてもそんな陰謀に組するわけにはいかなかった。

  そして、この春宮には後見すべき人物がいなかったことが源氏に幸運をもたらしたのである。
  『おほやけ(新帝)の御後見をし、世をまつりごつべき人を思し巡らすに、この源氏の、かく沈み給ふこと、いとあたらう(そのままでおくのが惜しい人材で、それは)あるまじきことなれば、ついに后(弘徽殿大后)の御諌めをも背きて、許され給ふべき定め出で来ぬ』
という具合にことは運んでいった。かつてこの春宮と最も昵懇だったのが源氏であったことを帝は思い巡らせた結果である。
  そしてこの半年ほど後の七月二十日あまりに、
  『また重ねて京に帰り給ふべき宣旨』
が下るのである。源氏は内心では、いずれは罪も許されるだろうとは思っていたのだが、右大臣側がもし強硬にあの陰謀を実行していれば、源氏の安泰はなかったのである。それに「世は常ならず」の言葉通り、いつ須磨・明石で命を落とすとも限らないのである。しかしいずれの災難も源氏に降りかかることはなかった。
 
  京に帰るや、彼は権大納言として政界に復帰する。いきなり政界のベスト六に返り咲いたというわけである。そればかりではない、翌年の春には、朱雀帝の譲位、冷泉帝の即位という運びとなり、それに伴って、源氏は内大臣という顕官に昇りつめてしまったのである。政界のベスト三である。帝の後見ということは「摂政」ということで実質的にはこの世の最高の権勢者ということである。おそらく裏で藤壺宮が尽力していたのであろう。
  まさにとんとん拍子を絵に描いたようなものである。でもこのいささか破天荒な経緯にも、それを「絵」とは感じさせない紫式部の周到な計算が張り巡らされているから、読者は手に汗して事の進展から目が離せなくなるのだ。
  それにしてもまことに天運の強い男である。
  その天運も、朧月夜との密会を源としているし、あっという間に政界最高の権勢者に昇りつめたのも、藤壺宮との不倫ゆえである。彼の不運も不倫、幸運もまた不倫というのもまことに皮肉なことである。


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